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「美の用」をつくる

備前陶芸安倍安人(あべ・あんじん)




  

やきものの美は偶然の産物ではない。

作り手の美意識が表現されたものである。



 「安倍安人さんの話を聞く会」

      (2010年4月〜2011年3月)


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  やきもの、もしくは日本的な立体表現を示した陶芸

  備前焼の固定観念をくつがえしたのか、根源のイメージに達したのか。


  備前焼の固定観念から離れて、このやきものそのものの「スゴさ」の由来について

  私が思うところを述べます。

  それは「このやきものには立体が表現されている」ということです。

  そんなことは当たり前と思われるかもしれませんが、

  「立体を表現する」ということは「3次元空間に立体物が存在している」ということとは違うのです。

  西洋の彫刻もそうですが、昔(江戸期以前)の日本人も、

  西洋とは別の「立体を表現する」方法というものを知っていたように思います。

  しかし現代の陶芸家が作るやきものにはこの「立体を表現する」ということ(意識とか方法)が

  欠落しているように私には見えます。

  この写真作品の作者、安倍安人さんは、私の見るところでは

  「立体を表現する日本的な方法」を知っている唯一人の陶芸家です。

  そのルーツは桃山時代(織田信長とかと豊臣秀吉が天下を統べていた時代)の

  ある種の陶器の作り方にあります。

  安倍さんが創る備前焼には、粘土成形による立体表現、

  器胎の表面を彫って模様を創る方法による立体表現、

  彩色による立体表現などいくつかの立体表現が複合的に重なっていて、

  それが言葉を超えるインパクトを産み出しているのです。



           (笹山 央 (『土地家屋調査士』2010年1月号〈美の工房26〉より)



 安倍安人プロフィール(パブリック・コレクション)
 1938年/大阪生れ。
     古美術への関心から備前焼の焼造に取り組む。その当初においていきなり桃山期備前を再現する。

 1995年 /沼津御用邸100周年記念公園、茶室什器(茶入、花入、水指、茶碗等)買い上げ
      島根県横田町芸術の森モニ
ュメント「コック96」制作 
 1996年/ミント美術館(U.S.A.)・アリアナ美術館(スイス) 
 1999年/笠間日動美術館

 2004年/メトロポリタン美術館(U.S.A.) 
 2006年/京都国立近代美術館・装飾デザイン美術館(ラトビア) 
 2009年/アジアンアート美術館(U.S.A.)