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西村陽平[ミクスト・メディア、キルンワーク]

[人は日々]

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2018年1月に開催された個展から[於・ギャルリ・プス(東京・銀座)]
1878年築の古民家を訪ね、そこで出会った古い生活用具を素材にして制作。

無題

15.8×52.7×13.7cm

 

金属製の生活道具を2~3個組み合わせて、泥で固め焼成したオブジェ。

 

無題

42.6×35.3×4.5cm

 

素材は縄なんかを切る鋏状のもののようです。

 

1938年の漏斗で聴いてみる

29.8×19.5×16.5cm

 

いわゆるnon-fire(焼いてない)のオブジェです。

航空母艦と飛行機(昭和19年)

13.7×19.3×6.0cm

 

箱状のものは西村が好んで使うモチーフの一つ。

この箱の用途は不明ですが、同じものがたくさん残されていたとのこと。

 

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[プロフィール]

1947年  京都府生まれ

1973年  東京教育大学教育学部芸術学科彫塑専攻卒業

1974年  千葉県立千葉盲学校 教諭(1998年まで)第4回日本陶芸展(毎日新聞社主催)で外務大臣賞受賞

以後、個展、グループ展多数。

2012年  「彫刻を聞き、土を語らせる 西村陽平展」 愛知陶磁資料館

 

〔海外での展覧会〕

  • TOJI, Avant-garde et tradition de la ceramique Japonaise (フランス国立陶磁器美術館/セーブル・フランス)
  • 個展(ケビン・モリスギャラリー/ニューヨーク

個展(CCCD Gallery/香港)

  •   個展(Neuberg Art Space/香港)

2012年  個展 「Apo-Calypse, Beard silverware factry」(クラレンス・スイス)

2013年  個展(ケビン・モリスギャラリー/ニューヨーク

個展(CCCD Gallery/香港)

 

〔パブリック・コレクション〕
滋賀県立陶芸の森美術館、高松市美術館 滋賀県立近代美術館(「時間と記憶」1996制作)、東京都美術館、山口県立美術館、呉市美術館、パリ装飾美術館、東京国立近代美術館 エバーソン美術館、和歌山県立近代美術館、ビクトリア&アルバート美術館 愛知県立美術館、国立国際美術館

 

[論評](冊子「人は日々」より)

西村さんの創作の基本的なコンセプトは「物質の変容」である。それは「事物はすべて移ろいの中に在る」ということであり、移ろいを透かしてその奥にある“永遠”を見ようとするものである。その方法として焼成(移ろいの圧縮による“永遠”の浮上)があり、また、常温下の事物の移ろい(変容)としてのゆるやかな崩壊現象へのまなざしがある。

西村さんは今、社会的な職務から解放され、房総半島の太平洋に面した場所に焼成窯を構えて、腰を据えて制作に取り組んでいく境遇を獲得している。ここには、一所にとどまって仕事に打ち込もうとするイメージがある。時空の中を、とどまりつつ移ろっていく。とどまりと移ろいの二律背反的な構えが、現在の西村さんの創作の在りようを表しているように思える。