[人は日々]
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アメリカ、中国、シンガポール、フランス、韓国、香港、ベルギー、トルコ、メキシコ、台湾で開催されるアート・フェアに作品を出品するようになり、そのつど好評を博して個展を開催するなどして国際的なアーチストとしての地歩を築いてきています。
線から空間を創り出していくプロセスが一つの特徴をなしていますが、眼を凝らして見つめているといわゆる3D的に画面の一部が浮き上がって見えてきたりするのも、際立った特徴と言えるです。
「Trace-20-15」
木炭・油彩
116.7×116.7cm
「嘘~Red~」
木炭・油彩
116.7×116.7cm
「Trace-26」
木炭・油彩
116.7×116.7cm
「Trace-63」
木炭・油彩
162×97cm
略歴
山梨県生れ
1990年 女子美術短期大学卒業、2003年まで服飾デザイナー
2005年 安倍安人に師事/2007年ニューヨークONISHI GALLERYにて安倍安人と2人展
2008年 かたち21主催 「可喜庵」グループ展に出品
2010年 ギャラリーARTE主催アート・プロジェクト本島に参加
2020年 瀬戸内美術館にて回顧展(岡山県瀬戸内市)/他、国内、海外での個展・アートフェア参加多数。
[論評]冊子「人は日々」No.05より)
内田さんの絵は、無数のと形容したくなるほどの数え切れない線が画面を縦横に走っているのが特徴の第一です。そして線と線の間にできた小さな余白に色を塗って、カラフルな色面による空間構成をしているのが特徴の第二。さらにその色面構成が色彩の明度の違いや色相の差異による奥行き感や立体感も作り出していることが、特徴の第三、というふうに分析できます。特に第三の特徴に関しては、眼を凝らして見つめているといわゆる3D的に画面の一部が浮き上がって見えてきたりして、これが四番目の特徴を産み出していると言えなくもありません(裸眼ではその3D的な見え方が生じない人のために、展覧会場では3D眼鏡が用意されたりしています)。
今年の夏、岡山県瀬戸内市にある瀬戸内美術館で、内田さんの個展が開かれました。2019年から今年にかけて描かれた作品が特に強く印象に残りました。これらの近作ではそれらが渾然一体となって、言うならば“コスミック”な空間感覚をかもし出しています。それはこれまでの精進の中で内田さんが育ててきたものの内実としての芸術的成果であり、次のステージへの飛翔を予兆していると私には感じられました。